映像の気持ち

E-MOTION GRAPHICS、第13回恵比寿映像祭。

映像には見る人の感情を動かす力がある。

13回目の今年は、動画表現の成り立ちや違いをひもときながら、映像の気持ちにひたる。というコンセプト。

この状況だから、なんとなく派手さみたいなのがないけど、人数制限してるし、会場が広々、COVID19を考えて会場をつくったような感じで、安心感がある。今やそれが一番。

まずは3階から。

入るとすぐにモニターが4つある。

Petra CORTRIGHT ペトラ・コートライト

2000年代後半よりセルフポートレートをデフォルメしたりして作った作品をYouTubeにアップ。彼女のヴィデオ・パフォーマンスは美的な楽しみであり、詩的な身振りには感情を呼び起こされるとあるが、まさに。美的な楽しみ。

ありそうでなかった。彼女の創造性でしか作れない、クリエイティブな作品。

時代はグッとさかのぼり、

リュミエール兄弟

シネマトグラフ、映画はここから始まった。

動画装置

映画より前の所謂パラパラ動画、動く絵。残像現象によって静止画の連なりからアニメーションの効果を得るもの。残像って不思議だわ。

会場ではこの装置を回して、スリットから現れる動く絵を見ることができる。わかっているけど、ついやりたくなり、やると絵の動きがけっこう面白い。子どもが大好きなもの。

カモメの残像画?笑笑は、本当に綺麗だった。カモメが弧を描いて美しく飛んでいた。

この流れで次展示へ。

松本力

一コマずつのドローイングに透過光を加え、撮影するアニメーション

手描きってパワーある。目に飛び込んで、それからグッと気持ちに入って来る。

映像作品の多くは、美しさやコンセプチュアル、想像出来ないような映像構成みたいな作品が大半、でもこれは誰でも知っている機能で、誰でもわかる映像だけど、気持ちに何かくる。知らない世界を見せつける映像にも、新しい世界を知らせてくれて感動だけど、すでにわかっているものでつくられている作品も素晴らしい。

森林鉄道の機関車を模したオブジェも空間にピッタリ。

作品名は、宇宙登山。

しかし、アニメーションは柔らかい感じは受けず、突風みたいに突っ込んでくるスピード感ある作品。

原画、パラパラ漫画みたい。

会場はこんな感じ。

シシヤマザキ

オシャレで可愛い、水彩画動画、モデルは自分。

こちらも手描き。ほんのりのようなピリっとのような、なんともかわいい世界。

動画を撮影して、それをコマ割りして水彩のタッチで描き、アニメーションに仕上げるロトスコープという技法を使っている。

見たことあるなと思っていたら、ルミネやシャネルのCM、彼女の作品だったのか、こんなアーティストがつくっていたんだと新たな、嬉しい発見。

インパクトある展示。

本人が踊り、実写から水彩画にしていくみたい。

作品のひとつ、『とにかく何かを始めよう、Lets just get it started!』

って、いいな。

全体的にかわいいピンク画、シシピンクといわれているそうだ。

残念ながら撮影はしてなかった、、、くるくる変わってしまいおさえられず。

この手法ロトスコープってマックス・フライシャーが発明したもの。

シシヤマザキの展示の隣、順番では前に、マックス・フィッシャーのベティブーブを展示してくれてる。粋な演出だわ。

すでに知らない人も多いのかなベティブーブ。アニメーションの動きが不思議で楽しいのだ。シシさんはこの手法を自分オリジナルに発展させているんだね。

これを見てからシシさんの作品を見るとより面白く鑑賞できる。

マックス・フィッシャー

チャンヨンヘ重工業

言葉が音楽に合わせてリズミカルに映し出される。面白い。なんで面白いのかな。

こういった言葉の作品を見ると、コンセプチュアル・アーティスト、ジョセフ・コスースの作品を思い出したりする。

言葉の面白さ、絵ではなく、共通言語の言葉。たわいもないテロップがパラパラと投影される。

新しいけど懐かしい、シンプルに面白い。

そう、行く気分になったら

恵比寿写真美術館及び周辺

会期

2021年2月5日(金)−2月21日(日)

10:00−20:00 (最終日は18:00まで) / 8日(月)、15日(月)をのぞく15日間

Author: noriko