岡田美術館

箱根、なんと18年ぶりくらい。

友人は登山に、私は美術館に別行動。ひとりの行動の方がいまの状況にはいいかなと。

美術館は移動距離がなるべく短いところを検索、施設に近い岡田美術館をみつける。

調べたら今特別展で伊藤若冲をやっているとのこと。若冲は本物は観たことがなく、一番観たいと思っていた画家なのでこれは是非行こうと即決。

小田原駅東口、出ると通りを挟んで正面あたりに、箱根園行きバス亭がある。小涌谷までは40分くらいの道のり。

温泉地をいくつか通過、バスからの景色も楽しめる。

この日は曇りで残念だと思っていたら、山を登ると、雲の中に入ったのか、幻想的な風景が広がった。

近くにこんないいところがあるのに20年近くも来なかったなと。そんなところは数々あるけど、今だから自粛しながらもたまには近場にふらり一人旅。

小涌谷のバス停から歩いて数分、岡田美術館に到着。けっこう大きな美術館だ。

モダンな足湯があって、でかい「風神雷神図屏風」を見ながら足湯につかる。

足湯はいくつかあってそれぞれテーブルがついている。カフェのようにアイスクリームやお茶をしながら温まる。ディスタンスもあるから安心。

入口で携帯電話やカメラ等記録媒体、飲食品をロッカーにしまうように促される。なかなか厳しいなと。

最近は写真可も多くなっているから、逆に新鮮。友人から連絡来る予定だから携帯ないのは不便だけど、ロッカーはお金が戻る方式なので都度出し入れするしかない。ロッカーは大きなサイズもあって、旅行の荷物があっても預けられる。

貴重品だけ持って入口へ行くと、その荷物もx線検査機にかけられる。なんと厳重な、上野にもないわ。

検査を通過して入るとあのでかい「風神雷神図屏風」前を通り、入口は?

となるくらいに、入口と書いてある黒い自動扉が目の前に、さらに厳重。

扉が開くと、わぁ、照明暗い中に美しい展示物がたくさん。

これはすごい。入ると陶器のコレクションが並ぶお部屋に。、さらに4-5くらいのお部屋があって、たくさんの美術品が展示されている。この階だけでじっくりみると1時間はかかりそう。説明書きもしっかりしてるし。

5階まで見応えありそうだけど、もしかしてこれは出ることができないの?

お腹もすいたし、友人に携帯が使えなくなるからと連絡もしたい、時計がない、、、一瞬閉じ込められた感がして、戻ろうとしたが入口は中からは開かず。仕方ないので出口に。

出口も黒い頑丈な自動扉、出るとエスカレーターがあり、その先に先程検査した入口が見えた。

一度入ると出ることができないのか聞くと、チケットと一緒に小さい紙が配られていてそこに5時まで自由に出入りができるとあった。時計もエレベーターホールにかかっているとのこと。

5階にウォーターサーバーがあるからそこで水分補給してくださいとも教えてくれた。

これはなかなかいいわ。その日いっぱい自由に来ることができる。厳重な設備あってこその自由。

足湯、レストラン、お庭もあるから、作品観たり、散歩したり、休みながら温まったり、、、

この美術館、地味だけど至れり尽くせりかも。華やかに観光観光してないけど、大人向けで、しっかり一日楽しめる。

さて、ではまず友人に連絡をして、お庭があるから明るいうちに見て、敷地にあるレストランで先に腹ごしらえしてから計画たてて作品を観ることにした。

最初にある足湯前の美術品

大壁画(風・刻)について大壁画 福井江太郎「風・刻」
―天駆ける箱根の守り神―

装飾性豊かな日本美の伝統は、桃山時代以来、主として琳派の作家たちによって受け継がれてきた。
その源流に立つ俵屋宗達の代表作に、国宝「風神雷神図屏風」(京都・建仁寺蔵)がある。
宗達以後の後継者、尾形光琳や酒井抱一らによって摸写、模倣の挑戦が重ねられてきたが、それらはみな原画に近い比較的小さな屏風画だった。
400年後のいま描かれた美術館正面の壁画は、実に縦12メートル、横30メートルにも及ぶ巨大なスケールで、福井江太郎氏によって「風・刻(かぜ・とき)」と名付けられて創造的に再現されたのであった。

美しい箱根の山の自然と、そこに新たに建てられた美の殿堂岡田美術館とを、いつまでも安らかに加護し保全すべく、壮麗な姿の神々が総計640枚の金地パネルの上に常に躍動している。ガラス面に映る現実の雲の流れも加わると、天駆ける雄姿にはさらに迫力が増してくるようだ。
源泉かけ流しの足湯に浸りながら、平成の「風神雷神図」をゆっくりと眺め、鑑賞して頂きたい。

岡田美術館館長 小林 忠

※岡田美術館Webサイトから引用

Author: noriko